黄昏色の呟き

俺メモ 虚空に向かって呟かれる独り言

王者のために冠を HO

王者のために冠を シナリオハンドアウト

●アクトトレーラー

 西方歴987年、国王アストルフ1世の御世、エクセター王国では次代の王を決める時期へときていた。
 次なる王に相応しい者、最有力にして唯一の候補は王のただ一人の嫡子、王子レーモン。武烈果断にしてカリスマ性に優れる彼の存在を脅かす者はいない。それが多くの貴族たちの見方であった。
 しかし、生後まもなく行方不明となっていた王の庶子が辺境で見出され、宮廷に波乱が巻き起こる。
 毒蛇の蠢く宮廷で、見出された子はいかに生きるのか。宮廷の蛇、廃王、貴族たち、そして王太子。忘れられた王子の存在は多くの者に波紋を広げ……
 やがて時代は次なる王を選択する。
                  ブレイド・オブ・アルカナ
                   『王者のために冠を』
               これは、王と、人と、英雄たちの物語

◆PC?:忘れられた王子   
推奨サンプル:次なる勇者(P52)or幸せの運び手(P80)
因縁:○兄弟/“次なる王”レーモン・ド・ブローズ                         推奨アルカナ:コロナ
 あなたが国王の庶子だと告げられたのは、母が亡くなってしばらくしてのことだった。王宮から訪れたという使者は、生まれつきあなたの身体にある痣が幼くして母親とともに行方不明になっていた王の子の痣とぴったり一致することを説き、王宮へと赴くよう告げた。全て信じたわけではない、不安もある、使者の話を断れるような雰囲気ではなかったことも確かだ。それでもあなたが王宮行きを決めたのは、母を亡くし、天涯孤独と思っていた自分に家族がいるということを知ったから。自分と血が繋がっているという王子、あなたは彼に会って見たくなったのだ。

◆PC?:仮面の従者
推奨サンプル:宵闇の道化師(P82)or脅威の射手(P86)
因縁:○主従/“廃王”ブランシュ                                   推奨アルカナ:なし
 あなたが“廃王”と呼ばれる少女に仕えて何年になるだろうか。王宮の一角に半ば軟禁状態で住まわされている彼女は、かつて王であった。あまりにも幼くして王になったその少女は、ものごころつく前に後見人であった叔父に冠を奪われ、廃位させられた。それ以来少女は、王宮の片隅で籠の鳥のような不自由な生活を強いられている。
 あなたはそんな憐れな少女に仕える従者であり唯一の味方……というのが世間での評判だろう。だが真実は違う、あなたの本当の素性は暗殺者、本当の主は今の王でありあなたは国家に代々仕える暗殺者集団の一員である。
 あなたの受けた命は一つ、少女のもっとも身近に侍り、もし少女が王座を望むようなことあらば即座にその命を絶つことである。だが、そんな不穏な動きはないまま月日はたち、平和な日々の中、あなたが自身の素性を忘れかけた頃ものがたりは始まる。

◆PC?:宮廷貴族
推奨サンプル:放蕩貴族(P34)or幸せの運び手(P80)
因縁:○強敵/“蛇の宰相”シャルル・ド・モーティマー                      推奨アルカナ:コロナ
 誰かが言った、宮廷とは毒蛇の巣である。まさにその通りだ。油断をすれば噛み殺される、隙をみせれば骨までしゃぶられる。地位を失うくらいならまだマシだ、才覚のない奴は命すら失う。あなたはそんな毒蛇の巣で幼いときから生きる、生まれながらの貴族だ。
 貴族として宮廷で生き残る術は心得ているし、確固たる地位も築いている。幼い時から熾烈な宮廷闘争を勝ち残ってきた。だが、そんなあなたでも侮ることの出来ない敵がいる。“蛇の宰相”シャルル・ド・モーティマー、王に代わり国家を取り仕切る、王宮随一の実力者である。あなたにとって、彼はどうしても相容れない存在だ。今はまだ表立って対立こそしてないが、いつかは対決しなけらばならない時がくる、あなたはそんな予感を持っている。

◆PC?:王子の騎士
推奨サンプル:不破の騎士(P40)or魔鎧騎士(P58)
因縁:○主従/“次なる王”レーモン・ド・ブローズ                         推奨アルカナ:アダマス
 あなたは騎士である。仕える主はレーモン・ド・ブローズ。武烈果断にして人を圧倒するカリスマ性を持ち非の打ち所のない貴公子にしてエクセター王国の王子。あなたはそんな彼に仕えることを誇りに思っている。
 今宮廷では、現在の王の老いに伴い次代の王を巡って貴族たちの間で暗闘が繰り広げられているという。しかし、今の老王には彼以外の子はおらず、当然、次代の王はレーモンであろうと誰もが確信していた。だが、この大事な時期に王の庶子が見つかったという噂が流れてきた。それが例え真実であっても、所詮庶子、レーモン王子の時期王としての地位は揺らがないだろう。だが、見出された王の子の存在は宮廷に波乱を巻き起こす。あなたにはそんな気がするのだ……

◆PC?:十勇士
推奨サンプル:流離いの剣士(P26)or虹を継ぐ者(P28)
因縁:○闘争/ヴィペール                                       推奨アルカナ:なし
 あなたはエクセターが誇る近衛騎士団、十勇士の一人である。王家に仕える十勇士の使命は、国家に仇なす者たちと戦い王国の平和を守ること。国家の安寧と栄光のために命を捧げることである。
 現在あなたは一人の暗殺者を追っている。名はヴィペール、マムシを意味する名をつけられたこの男は、多くの有力貴族たちを暗殺してきた。それ自体許せるものではないし重大なことだ。だが、あなたは彼に対してもっと嫌な予感を持っている。彼の雇い主の意図、それはこのエクセター王国を揺るがせるほどのものなのではないか、と。
 今は予感だけでしかない。だがこの予感が実現するのはそう遠くないのではないか、そんな気がしてならないのだ。

各PCには以下の設定がつく。
なお、全てのハンドアウトに性別の制限はない。
PC?:エクセター国王アストルフ1世の庶子。年齢は10代〜20代が望ましい
PC?:素性を偽り従者としてブランシュに仕えている暗殺者
PC?:エクセター王国の上級貴族
PC?:エクセター王国の第一王子レーモンに仕える騎士
PC?:十勇士の一員。