黄昏色の呟き

俺メモ 虚空に向かって呟かれる独り言

シナリオハンドアウト:「人が鬼か 鬼が人か」

  • アクトトレーラー
穏宿。そこはN県の片田舎にひっそりと存在する山奥の小村。
その昔、人を喰らう鬼が住まい近隣在郷の民草に恐れられたと伝えられるこの地も、今は過疎の波に飲まれ、廃村への黄昏た道をゆっくりと歩む、小さな、だが平和な小村に過ぎなかった。
永遠に続くとも思える平和な日常。
だが、その静かな日常も、小さなほころびから簡単に壊れゆくものだと、まだ誰も気づいていない。
隠された鬼は目を覚まし、人を喰らいに夜に這い出る。
惨劇の幕は開く、人々の気づかぬうちに・・・
山村に伝わる鬼伝説、7年前の惨劇、因習に縛られた旧家、鬼を祀る社、呪われた血の因果、木霊する鬼の声・・・
そして殺される、人、人、人・・・

真夏の夜に人を喰らうは何者か
闇に隠るは鬼か蛇か、それとも人か
人が鬼か 鬼が人か・・・

Double+Cross The 2nd Edition
「人が鬼か 鬼が人か」

今宵、惨劇の夏が始まる・・・

各PCには以下の設定がつく。
PC①:高校生。キュマイラ限定。7年前まで穏宿で暮らしていた。
PC②:野宮正臣の友人。教え子の学生、同僚の研究者などでも可。
PC③:10年以上前から城相家に仕える使用人。
PC④:探偵。
PC⑤:刑事。

PC① クイックスタート:不確定な切り札
ロイス:城相夏日(キソウナツヒ) P:懐旧/N:隔意
カヴァー/ワークス:高校生/指定無し
 キミがあの村を去って7年になる。いい加減都会の暮らしにも馴れた。しかし、時がたつにつれ望郷の思いがむくむくと湧き上がってくる。あの村が懐かしくてたまらない。
 遠い昔に共に遊んだ幼馴染、夏日は元気だろうか。何故かむしょうに会いたくなって、気が付くとキミは電車に飛び乗っていた。向かうはN県穏宿。キミの故郷。

PC② クイックスタート:紫紺の華
ロイス:野宮正臣(ノミヤマサオミ) P:友情/N:不安
カヴァー/ワークス:指定無し/指定無し
 キミの友人、野宮正臣は幸せな奴だ。民俗学を専攻している大学の講師をやってる奴は、今は自分のルーツに繋がるN県穏宿村で鬼伝説を調べているらしい。自分の好きな研究に打ち込めるあいつはとことん幸せそうだ。
 だが、そんなあいつが、調査に出向いた穏宿で強盗殺人事件を起こし逃亡中だというニュースが飛び込んできた。もちろんそんなニュースは嘘に決まっている。キミは真相を知るため穏宿に向かった。友の無実を信じて。

PC③ クイックスタート:錆びついた刃(カヴァーを指定のものに変更)
ロイス:城相冬子(キソウトウコ) P:尽力/N:悔悟
カヴァー/ワークス:使用人/指定無し
 キミが城相の家に仕えてもう、かれこれ10年以上にもなるだろうか。その始まりは城相の一人娘冬子にあった。彼女に恩を受けたのか、単純に好意を持ったからか、それともずっと以前から仕えていたのか、そのきっかけはどうでもいいこと。重要なのはキミが冬子のために城相家に仕えていたということだ。
 だが、今はもう冬子はいない。7年前キミが所用で家を離れた時、彼女は突然自らの夫を含む親族を殺害、さらに自ら命を断った。警察は彼女が精神を病んだ末の凶行だと断定した。だがキミはそれを素直に信じてなどいない。冬子の死には何か理由がある。そう信じてキミはまだこの城相の家に仕えている。それは冬子の忘れ形見である日夏のためでもあるが、いつか彼女の死の真相を突き止めるためでもある。キミはまだあきらめてなどいない。

PC④ クイックスタート:魔術師の仮面(カヴァーを指定のものに変更)
ロイス:城相春(キソウハル) P:好奇心/N:不信感
カヴァー/ワークス:探偵/指定無し
 キミの職業は俗に言う探偵という奴だ。だが実際、探偵なんてフィクションのような華やかな商売じゃあない。定番の浮気調査から家出人の捜索、警察の下請けまで、言うなれば何でも屋のようなものだ。
 今回届いた依頼は失せ物探し。封書で届いた依頼状によると、旧家のご当主が強盗に盗まれた家宝を取り戻したいらしい。依頼人の名は城相春、文面から察するに老い先短い婆さんのようだが、その分金払いはよさそうだ。こいつを断る理由はない。そう決めるとキミは依頼人の下へと向かった。目指すはN県のド田舎、穏宿。

PC⑤ クイックスタート:気高き守護者
ロイス:謎のオーヴァード P:執着/N:脅威
カヴァー/ワークス:刑事/指定無し
 最近、N県の小さな集落、穏宿で気になる事件が頻発している。一週間ほど前に起こった強盗殺人事件を皮切りに、遭難と見られる行方不明者が一人、熊に襲われたと見られる死亡者が一人立て続けに発生している。特にキミが気になったのは最初の強盗事件と熊に襲われた事件の被害者の遺体写真。それは明らかにキミと同類の、オーヴァードによる傷跡だった。この事件を解決できるのはオーヴァードである自分しかいない、そう確信しキミは自ら進んで今回の事件の担当となった。

  • シナリオデータ
    • プレイヤー:3〜5人
    • 時間:未定
    • ステージ:N県穏宿
    • シナリオ情報技能:〈情報:穏宿〉1レベル
  • NOTE

「人が鬼か 鬼が人か」はダブルクロスを使用した伝奇ミステリー“風”シナリオです。あくまでミステリー“風”シナリオであり、本格ミステリーを指向したトリックや推理要素的なものを組み込んでいるわけではありません。とはいえ、このシナリオでは情報収集は比較的重要であり、集めた情報同士を組み立てるという行為は必要になってくるでしょう。
また、このシナリオ中にはUGN、FHなどの組織はプレイヤー側から求められない限り基本的に登場しません。しかし存在しないというわけではなく、情報収集の際のソースとして(例:〈情報:UGN〉を使用した際の演出など)の登場などは十分ありえます。